あなたははキッチンの吊戸棚を上手に活用できていますか?
もくじ
キッチンの吊戸棚とは
キッチンの吊戸棚と聞いてもピンと来ない人もいらっしゃると思いますが、シンクの上に付いている開扉の棚。
あれがキッチンの吊戸棚です。カタログにはウォールキャビネットと記載されている事も多いですね。
リフォームを機に「キッチンの吊戸棚をもっと有効に使いたい」と思っている人は多いものの、実際にどのようにすれば良いのか、また実現可能なのか分からないという人がほとんどです。
このような相談を受けることは少なくなく、キッチンにおいては悩みの多い部分と言えるキッチンの吊戸棚。
そこで今回は、理想のキッチンの吊戸棚について徹底解説していきます。
ポイントはズバリ、アイレベルです。
そもそもキッチンの吊戸棚は必要?不必要?
理想のキッチンの吊戸棚について徹底解説と言いながら何ですが、はじめにキッチンの吊戸棚は要るのか要らないのかを、お話したいと思います。
実はリフォームの際に、キッチンの吊戸棚を付けないでおこうという人もいらっしゃるんです。
キッチンの吊戸棚を付けない人
吊戸棚を付けない理由はたくさんありますがその中でも下記の3点。
- 頭の上にあるので邪魔
- キッチンが暗くなる
- あっても使わない・使いにくい
というものが多いです。結論から先に言いますと、
- 対面キッチンでリビング・ダイニングとの一体感が欲しい
- 他に収納スペースを確保する事ができる
- そもそもキッチンの吊戸棚に物が少ない
という場合は、無理にキッチンの吊戸棚を設置する必要はないと思います。
対面式では確かに邪魔なキッチンの吊戸棚

対面キッチンはリビング・ダイニングを向いて料理をするレイアウトで、家族とコミュニケーションをとりながら炊事ができる事が特徴のキッチンです。
昔は珍しかった対面キッチンも割とスタンダードになってきましたが、使ってみると「思っていたよりリビング・ダイニングとの一体感がない」と感じる場合があるようです。
その原因がキッチンの吊戸棚です。キッチンの吊戸棚があると、リビング・ダイニングを見る視界はどうしても狭まってしまいます。
マンションの平均的な天井高は240cm。この場合だと、カウンターとキッチンの吊戸棚の間は75cm程しかなく、キッチンに付いた窓からリビング・ダイニングを見ているような感覚になってしまいがちです。
また照明の明かりが途切れてしまうので、キッチン内にリビング・ダイニングとは別の照明を取り付ける必要があります。
これが、LDKの中でキッチンだけが個別の部屋のように感じさせてしまうこともあるのです。
キッチンの吊戸棚の「普段使わないもの」を収容する力は意外に大きい
しかし、だからと言って安易にキッチンの吊戸棚をなくしてしまってもいけません。
これまでキッチンの吊戸棚が担ってきた収容力は意外に大きいものです。
ちょっと自分の家の吊戸棚の中を思い出してみてください。
よく使う消耗品のストック
- ラップやペーパータオル
- カセットコンロ用のガスなど
年に1度くらいしか使わないもの
- お正月用のお重
- お菓子の型
- お客さん用のお皿など
とりあえずおいてあるもの
- 空き瓶
- 密閉容器
- 引き出物のコップなど
がありませんか?
私もリフォーム前に、お客様と一緒に吊戸棚やシンク下の荷物を一緒に片づける事があるのですが、まぁ~必要の無い物がいっぱい入ってますよね。
「コレいつからココにしまってたんやろ?」とか「ココにあったんや!」
など、どのご家庭でも同じような事が起こりますね。
多いのは消耗品のストック。「お母さん、どんだけストックしてるんっ?!」っていつも盛り上がります。笑
これらの新たな行き場所を考えるとどうでしょうか。最新のキッチンは収納力がアップしているので、リフォームすると、もしかしたらシンク下などに分散して収納できるかもしれません。
しかし、簡単に手の届く、いつも目にする範囲に普段使わないものがあるのは不便でストレスの溜まるものです。
もともとキッチンの吊戸棚に物が少ない、別の収納場所を確保できるなら問題ありませんが、キッチンの吊戸棚を無くすという選択肢は、慎重に考えた方が良いと思います。
最新のキッチンの吊戸棚
また、最新のキッチンの吊戸棚は大きな進化を遂げているので、安易になくしてしまうのはもったいないとも思います。
アイレベルの話をする前に、デッドスペースと呼ばれ続けたキッチンの吊戸棚が、最新のキッチンではどうのように変化しているのかを、少しご紹介します。
キッチンの吊戸棚 電動昇降式

最新のキッチンの吊戸棚は手が届く距離に電動で降りてきてくれるというものがあります。
これは扉も含めた棚全体が壁をつたって降りてくるのではなく、中身だけが下から出て来るといった感じのものです。
今まで開扉だったものが、上下の引き出し式になったといえば良いでしょうか。
ボタンを押せば、目線の高さまで棚の中身が自動で降りてきます。
今までのキッチンの吊戸棚と同じように、食器や調味料などを収納するタイプもあれば、洗った食器を置いておく水切りタイプや、棚の中に収納して乾燥させる食器乾燥タイプもあります。
今までの常識を覆すキッチンの吊戸棚の使い方が可能になりますが、本体の大きさに対して収納力が小さいことには注意が必要です。
電動昇降式の種類
電動昇降式の種類を紹介します。
- 収納タイプ
- 水切りタイプ
- 水切り&小物収納タイプ
- 除菌乾燥&水切り&小物収納タイプ
- 食器乾燥タイプ
- 小物収納タイプ
収納タイプ
火まわりや調理スペースで使用頻度の高いものの収納に適したタイプです。
加熱調理の最中に、調味料ポットに手が届機構率のいい作業が可能になります。キッチンペーパーがセットできるほか、乾物、コーヒー・紅茶などを容器に入れて並べておけます。
水切りタイプ
水まわりでの使用に適したタイプです。
下段は水切りや、配膳前の一時置きスペースとして活用。置き場に困る、まな板を専用ホルダーでセットして水切りできます。 上段はラップなどの調理用品、計量カップ、容器などサッと使いたい物の収納に便利です。
水切り&小物収納タイプ
基本となる機能を1つにパッケージ化しました。まな板やレードルはもちろん、調味料などの小物もスッキリ収納することが出来ます。調理から後片づけまでこの一台が大活躍します。
除菌乾燥&水切り&小物収納タイプ
基本となる小物収納タイプに、人気の高い除菌乾燥機能が加わりました。カウンターまわりがスッキリ片付くだけでなく、小さいお子さんがいらっしゃるご家庭で衛生面が気になるまな板やふきんを清潔に保ちます。
食器乾燥タイプ
洗った食器やまな板などをそのまま収納。温風により乾燥することができます。
小物収納タイプ
毎日使うまな板や布巾・キッチンペーパーなどの小物をすっきり収納。
(間口120・135cmは中央にカウンター付)
参考記事▼リクシルのオートダウンウォールで~スッキリキッチンを実現~
また、棚の昇降にはボタンを1度押せばいいものと、昇降中はずっと押さないといけないものの2種類がありますので、そちらも気をつけてください。
キッチンの吊戸棚 手動昇降式

電動昇降式と考え方は同じですが、自動ではなく手動で上げ下げするものもあります。
こちらに水切りタイプなどはなく単純な収納タイプのみで、手前に飛び出て降りてくるものと、真下に引き出すものがあります。
手前に飛び出すものはよく使う消耗品のストックなどに便利で、真下に引き出すものはお玉やフライ返しなどの収納に便利です。
こちらのタイプで気をつけなければいけないのは、手動での上げ下げで無理のない重さしか収納しないという点です。
大体はアシスト機能が付いているので通常よりは楽に上げ下げできますが、注意は必要です。
参考記事▼クリナップのハンドムーブでキッチン収納を快適にリフォーム
キッチンの吊戸棚のポイントはアイレベル
キッチンの使いやすさを考える上で大切なのが、アイレベルを如何に充実させるかです。
キッチンの吊戸棚をどう有効に使うかでもポイントになっています。
目線の高さのこと
身長160cmの人の手が無理なく届く高さは180cm、キッチンの一般的な奥行である65cm先に手が届く高さは目線の高さと言われているからです。
この位置にあるものは自然と目に入りやすく手が届きやすいので、とても重要なエリアと言えます。身長160cmの人であれば150cmの高さくらい。
この高さはちょうど普通のキッチンの吊戸棚の下くらいの位置で、今までのキッチンの常識では何もないエリアです。
参考記事▼クリナップのアイエリアボックスがキッチンを楽しくする
キッチンの吊戸棚のベストサイズ
キッチンの吊戸棚の縦幅はメーカーにもよりますが、50cm・60cm・70cm・90cmが一般的です。
一般的なマンションの天井高は240cmで、よく取り付けられているのは70cmのキッチンの吊戸棚です。
これだと、キッチンの吊戸棚の底板の位置は170cmになり、160cmの人だと底板の手前の部分しか手が届きません。
ですので、90cmのキッチンの吊戸棚を取り付ければ、ちょうど目線の高さにキッチのン吊戸棚はやってきますので、使い勝手は良くなります。
しかし、90cmもあるキッチン吊戸棚で有効に使える部分は底板の部分か、よくてもう一段上の棚くらいまで。
上のほうにある棚部分については、他のキッチンの吊戸棚と同様に手は届きません。
もう一つ、目線の高さにキッチンの吊戸棚を持ってくる方法があります。
それは50cmや60cmのキッチンの吊戸棚を天井からでなく、目線の高さに取り付けることです。
こうすれば、収納スペースを無駄なく有効に使うことができます。しかし、一点気をつけなければいけない事があります。
それは、キッチンの吊戸棚の上にホコリが溜まるという事です。
キッチンの吊戸棚が天井スタートであれば誇りが気になることはありませんが、キッチンの吊戸棚と天井の間に広いスペースがあれば、当然ホコリは積もります。
普段は目にしないかもしれませんが、調理をする前上のことですので、人によってはかなり気になる部分だと思います。
キッチンの吊戸棚の下にプラスアルファを取り付ける

キッチンの吊戸棚の高さは通常にしておき、その下にちょっとした収納などを取り付けるという方法もあります。これはご紹介した昇降式のキッチンの吊戸棚も、アイレベルで使用するという点で同じ考え方と言えます。
キッチンメーカーのオプション品を取り付ける
現在、キッチンメーカーでは様々なアイレベルのオプション品を揃えています。
調理中に使う食材や調理道具の仮置き、洗い物を一時的に置いておく水切りなどに使うパレットタイプのもの。
よく使う調味料やキッチンペーパー、ラップ類など、調理中に欠かせない消耗品を収納しておくポケットタイプのものなど、メーカーによっていろいろなアイレベル商品があります。
メーカーの純正品のいいところは、デザインがキッチンと統一されており、すっきりして見える点です。
また、使わない時は収納して隠せるものもあるので、邪魔になることがないもの利点でしょう。
DIYで取り付ける
簡単なラックなどであれば、DIYで今のキッチンの吊戸棚の下に取り付けることも可能です。
しかし、簡単なラックと侮ってはいけません。アイレベルにちょっと調味料を置いたり、キッチン道具などを仮置きしたりできるスペースが、あるのとないのでは大違いです。
また、ドライバーでのネジ止めなどが必要なものもあれば、キッチンの吊戸棚に引っ掛けるだけというものもあります。
価格は安いもので2,000円くらい、多くは4,000円~5,000円といったところです。
今はネットショッピングで簡単に検索・購入できますので、ご自身のDIYレベル合わせて検討してみるのも良いかと思います。
キッチンの吊戸棚を工夫してより良いキッチンライフを
たかがキッチンの吊戸棚ですが、ここを疎かにすると快適なキッチンライフは得られません。
キッチンの吊戸棚は通常サイズのものを選び「普段使わないもの」の収納力は残しつつ、どのようにアイレベルを充実させるかを考えるのが、ベストではないかと思っています。
どのようなサイズ、どのような組み合わせがよいか。これは、どのご家庭にも当てはまるというような正解はありません。
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