みなさんは今のキッチンの間取りに満足していますか?
実はキッチンの使いやすさは間取りをどうするかで決まると言っても過言ではありません。
最新の使いやすいように考え尽くされたキッチンでも、そのキッチンをLDKのどこに配置するか、また何を配置するかによって、使いやすさは大きく変わります。
「うちのキッチンは古いから使いづらい」と思われている方も多いと思いますが、それは正解でもあり間違いでもあります。
キッチン本体は絶対的に最新のキッチンの方が使いやすいですが、それだけでは解決しない問題もあるのです。
では、キッチンの間取りで何が大切なのかをご紹介したいと思います。ポイントは冷蔵庫と食器棚の配置です。
もくじ
使いやすいキッチンの間取りで重要な冷蔵庫の配置
3つの大事な配置、ポイントを紹介します。
- キッチントライアングルを考える
- 人の出入りを考える
- 冷蔵庫を奥にしたり隠したりする間取りもある
キッチンの使い勝手を決める要素は作業スペースの広さ、リビング・ダイニングへのアクセス、収納物の取り出しやすさや片付けやすさなど、様々なものがあります。
そんないろんな要素の中で、意外と難しいのが冷蔵庫の配置です。
冷蔵庫は調理の起点となりますが、食材を取り出すときに開ければそれで終わりというものでもありません。
キッチンのどこに冷蔵庫を置くかで、使い勝手はかなり変わってくると言えます。
キッチントライアングルを考える

冷蔵庫を置くときに、まず考えなければならないことはシンクとコンロとの距離です。
キッチンでメインに使用する場所はシンクとコンロで、調理中はこの二つを行き来することが一番多いでしょう。
シンクとコンロから冷蔵庫の距離が離れ過ぎている場合、調理中の移動距離がものすごく長くなってしまい、「疲れるキッチン=使いにくいキッチン」となります。
逆に、冷蔵庫がシンクとキッチンに近すぎると作業スペースや通路が狭くなり、こちらも使いにくいキッチンとなってしまいます。
この「遠すぎず近すぎず」の距離に冷蔵庫を置くことが、キッチンの間取り決める時のひとつのポイントとなります。
そして、この3つのベストな距離を考える上で、ひとつの指標となるのがキッチントライアングルです。
これは、シンク、コンロ、冷蔵庫の3点を結ぶと出来る三角形のことで、この三角形の全ての辺の合計が3.6~6.6m前後だと快適に作業できるキッチンとされています。
基本的にシンク、コンロ、冷蔵庫の位置は三角になっている方が使いやすいとキッチンとされています。
その方が横移動は少なく、キッチン内での移動が格段に楽になるからです。
人の出入りを考える
冷蔵庫の配置を考える上で、もうひとつ大切なことは調理中以外でも使うということです。
買ってきた食材を冷蔵庫へ入れる、食事中にドレッシングやマヨネーズを取りにダイニングから冷蔵庫へ行く、飲み物やアイスを取りに冷蔵庫へ行くなど、頻繁に人と物が出入りするのが冷蔵庫。
調理中に誰かが冷蔵庫に物を取りに来たらお互いが邪魔になってしまいますし、包丁やフライパンを使っている時に人の出入りがあると危険でもあります。
ですので、基本的にはキッチンの入り口付近(キッチンとリビング・ダイニングの境目付近)に配置することがベストだと言えます。
ただし、この配置にもデメリットはあります。
それは、シンクとコンロからどうしても遠くなってしまうことが多いという点です。
先ほどお話したキッチントライアングルが大きくなってしまうので、調理中の移動距離が長なってしまい、結果として使いにくい間取りと感じてしまう場合があります
またLDKの雰囲気を大切にされたい方には、冷蔵庫がリビング・ダイニングから丸見えになるという点もデメリットになるでしょう。
冷蔵庫が見えると、どうしても生活感が出てしまいます。
最近はスタイリッシュでお洒落な冷蔵庫もありますが、壁やインテリアなどに合わせて色を選ぶ必要もあり、機能面で冷蔵庫を選べないという難点もあります。
冷蔵庫を奥にしたり隠したりする間取りもある
ですので、調理中の使いやすさを優先したり、冷蔵庫をリビング・ダイニング側から見えないようにしたりするために、冷蔵庫をキッチンの奥に配置することもあります。
また、ふたり暮らしなどでキッチンに頻繁に人が出入りすることがない場合も、こちらの配置の方がしっくり来ることもあります。
この時のデメリットは先にお話しした通りですね。
他にも、冷蔵庫スペースを作ってそこに配置するという場合もあります。
これだとキッチンの入り口付近に配置しても冷蔵庫を隠すことができ、LDKの雰囲気をあまり損なわずに済みます。
また、食器棚と奥行を合わせることができるので、空間を大きく使うことが可能です。
ですので、誰かが冷蔵庫に物をとりに来ても調理の邪魔になることがありません。
キッチンの入り口付近と言っても、キッチンスペースの中へ冷蔵庫を入れることができ、キッチントライアングルを大きくしなくて済みます。
この間取りにできれば全て解決しそうではありますが、リフォームをするにしても、なかなかこういったスペースを確保することは難しいことが多いです。
また、冷蔵庫の配置スペースに合わせて冷蔵庫を購入する必要があり、買い替えのときに欲しい冷蔵庫が買えない可能性があるというデメリットもあります。
ですが、非常に使いやすい間取りだとは思いますので、スペースが確保できるのであれば、検討する価値のあるものだと思います。
参考記事▼【キッチンの動線】が調理時間を決める?最小限の動きで完結するキッチンのレイアウトの考え方
使いやすいキッチンの間取りを決める食器棚の配置
- 冷蔵庫との兼ね合いで迷ったら
- 食器棚はなしでも大丈夫?
食器棚も冷蔵庫と同じくらい使いやすいキッチンの間取りを考える上で重要なものです。
それは、食器棚は調理と後片付けの両方に関わってくるからです。
冷蔵庫との兼ね合いで迷ったら
食器棚がコンロから遠いと、出来上がった料理を配置する時に不便ですので、一般的には食器棚はコンロや調理スペースに近い位置の方が使いやすいです。
しかし、同時に食器を片付ける時のことも考えなくてはいけません。この時は、食器洗乾燥機や洗いかごに近いほうが便利でしょう。
もちろん、どちらにも対応できる配置がベストですが、なかなかそうはいかないことも多いです。
とりわけ冷蔵庫の配置との兼ね合いで悩まされることが多いのですが、その場合は冷蔵庫の配置を優先した方がいいです。
これは、冷蔵庫の方が使用頻度は高く、冷蔵庫を希望の配置にした方があとあとの満足感に繋がりやすいからです。
食器棚はなしでも大丈夫?
シンクとコンロの位置は基本的にキッチンメーカーによって決められた範囲でしか動かせないのに対し、食器棚は自由に配置することができます。
冷蔵庫も同じことが言えますが、食器棚は冷蔵庫と違って大きさや形などの種類が多くアレンジしやすいのが特徴です。
炊飯器やポット、ゴミ箱などを収納できる大型ものもあれば、少人数用の小さいものもあります。
また、最新のキッチンは収容量が多いので、食器棚を置かずにキッチンに食器類を全て保管している方もいらっしゃいます。

食器棚を置かないというのは究極的な選択ですが、最新のキッチンでは不可能ではありません。
食器棚が不要となるとキッチンの間取りの選択肢が増え、より希望に沿った使いやすいキッチンにすることがでますし、コンロにも食器洗乾燥機や洗いかごにも近いので、配置としてこれ以上はありません。
ただし、今ある食器の数や種類によって実現かのうかどうかは異なります。
ちゃんとした計画の元に実行しないと大変なことになる可能性もあるので、注意してください。

参考記事▼【キッチンの吊戸棚】ポイントはアイレベル!使いやすさを徹底解説
使いやすいキッチンの間取りで壁付I型キッチンの冷蔵庫と食器棚の配置
- 食器棚を直角に移動する
- 冷蔵庫をキッチンと対面させる
LDKでリビング・ダイニングのスペースを広く取りたい、LDKに十分なスペースがないという場合に多く採用されるのが、壁付のI型キッチンです。
しかし、この壁付I型キッチンには使いにくい間取りになりやすいという大きな落とし穴があります。
壁付I型キッチンでは、横一線に冷蔵庫、食器棚、シンク、コンロが並ぶ場合が多く、先にお話しているキッチントライアングルが形成されません。
これでは調理中の移動は全て横移動になり、非常に効率が悪く使い勝手の悪いキッチンになってしまいます。
横移動のみというのは思っている以上に移動距離があり、多くの場合、コンロと冷蔵庫を一回往復するだけで6~7m程も歩くことになります。
一回の調理中に何度、コンロから冷蔵庫、シンクから冷蔵庫を往復するでしょうか。
昔は一般的なレイアウトであった横一線の配置が、近年では少なくなっているのはこういった理由もあるのです。

では、壁付Iキッチンは必ず使いにくい間取りになってしまうのでしょうか。
もちろん、工夫次第でなんとかならない訳ではありません。
LDKのスペースや、住まわれている方の生活状況、他の家具との兼ね合いなどで必ずこれが出来るとは限りませんが、少しどういったものがあるかご紹介してみます。
食器棚を直角に移動する
壁付I型キッチンの改善策として一番よく使われるのが、食器棚をキッチンに対して直角に移動するというものです。
冷蔵庫は奥行があるので、直角に配置してしまうとダイニング・リビングスペースに圧迫感を与えるため、移動させることは得策ではない場合が多いです。
しかし、食器棚は冷蔵庫の半分ほどの奥行であることがほとんどなので、それほど圧迫感を与えません。
食器棚を移動させることによって、冷蔵庫とシンク・コンロの距離が近くなり、横移動の距離は少なくなります。
また、コンロと食器棚の位置も近くなるので、配膳の時の動きがスムーズになるという利点もあります。
冷蔵庫をキッチンと対面させる
冷蔵庫をキッチンと対面に配置するという方法もあります。
こうすることでキッチントライアングルが形成されるので、調理中はかなり使いやすいキッチンの間取りとなるでしょう。
ただし、冷蔵庫の扉の開く向きには注意が必要です。
開いた扉が壁と平行になるようにしないと、恐ろしく使い勝手の悪いキッチンになってしまいます。
この間取りを実現させるには、冷蔵庫の裏側を隠す為の壁も必要になるので、他の家具との兼ね合いが大切になってきます。
また、広い幅の冷蔵庫をおいてしまうと、リビング・ダイニングスペースに圧迫感を与えてしまうので、冷蔵庫の幅も制限されるという難しさもあります。
使いやすいキッチンの間取りは難しい
LDKの広さや形、家族は何人か、1人で調理するのか複数人で調理するのかなど、そのご家庭の状況次第でどんなキッチンが使いやすいのかは変わってきます。
本当に使いやすいキッチンの間取りを実現させるのは、難しいことですが、不可能ではありません。
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